araffordable watches

あくまでコスパの高い時計を求めて行く。時々は高い時計に目移りもする。

セイコー プロスペックス ダイバースキューバ LOWERCASEスペシャルエディションのUA別注モデル STBR011

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デザインが絶妙

LOWERCASEの別注モデルはファッション雑誌で目にしていた。名前的に、厚みの薄いケースを作ってる会社?と思っていた(笑)。ダイバーズは男性時計のカテゴリーの大きなひとつを締めているが、金額や大きさ含め本格的過ぎて、ある程度好きだという気概がないと躊躇してしまう。下記リンクの時計は店頭で試着したらデカすぎてビビりすぎた記憶がある。

mensjoker.jp

 

本格的なギアをそのままタウンユースするマーケティング活動を私は勝手に「ポテンシャルマーケティング」と呼んでいるが(笑)、CMでブランドの歴史やこだわりに感動して購入を検討したものの、店頭でその本格的な感じにギャップを抱く人も多いと思う。特にダイバーズウォッチは、本来の目的以外に買おうとする人が一番多いのではないだろうか。ファッション雑誌ではコーディネートする服の紹介などでバランス感を保つお手伝いをしてくれているが、本格ダイバーズを普段使いに溶け込ませるのはなかなか至難の業。

LOWERCASEは質実剛健セイコーのモノづくりを普段使いにモディファイする上で、すごく役立っていると思う。(デザイナーの苦労は相当あるとは思うけど)単純にはダウンサイズ。横幅で42.7mmだけどツナ缶部分は黒く、その中にベゼルがあるので文字盤部分はかなりコンパクト。そのためブラックボーイと比較しても少し小さくも感じる。また、その上でロゴとか文字盤の各パーツとの兼ね合いとか、ベルトの長さとか、全体感のまとまりがすごく良い。さらに、それでいてISOのダイバーズ規格を通しているという本格スペック。プロスペックスだから当然とは言え、たぶんこの時計はセイコーのホームページや直営ブティックで知るよりも(ユナイテッドアローズ限定だからなおさらだが)、ファッションアイテムとしての初見が多いと思うので、見た目だけ気に入って買えばそれでよし、実は本格的なダイバーズ規格を満たしている、というスペックは相当他と差別化されていて、魅力的に感じるのではないだろうか。値段も10万円を超える本格ダイバーズが多い中、実売数万円レベルで買える価格帯も含めてバランス感が高い。そう、総じてこの時計はバランス感が秀逸。そしてバランス感には、たぶんこの文字盤のデザインも寄与している。セイコーの初代ダイバーズをモチーフにしたこのデザインは、矢印やコブラの頭など視認性を第一にしたダイバーズの針が多い中、四角形を主体にしたシンプルでミニマルなイメージ。この時期のラインアップの中では、ユナイテッドアローズのモデルが唯一この文字盤を採用しており、他とは違ったまとまりの良さ、洗練さ、独自性を高めている。これ以外にLOWERCASEのモデルを所有していないのでわからないが、もしかしたらこの文字盤のデザインが一番の購入の理由かもしれない(笑)。

 

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ツナ缶のイメージは維持しつつ薄めでつけやすい

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ほぼ同サイズのブラックボーイとの比較 ツナ缶部分の色のおかげもあるが総じてミニマル感が強い

 メーカーとして機能を担保しつつ、デザインは他と積極的にコラボする姿勢はとても良いと思う。機能とデザインを決める上での中の人たちの衝突ストーリーとか知れるとより愛着や購買意欲が沸くかも知れない(笑)。