ユンカース Junkers 6060-5シリーズバウハウス
自分の中でパワーリザーブを追い求めている時代があった。これはそのコレクションの二本目に当たる。一本目のオリエントのがちょっとラグジュアリーに寄ったものだったので、もう少しカジュアルに使えるものを、と思い探してみることに。途中、aeromatic1912なるブランドなるものを見つけ、国産とは何かをいろいろ勉強しながら、またバウハウスデザインにも興味を持ちながら出会ったのがユンカース。軍用、ドイツ、バウハウス。タグをつけるとしたらこんな感じか。さきのaeromatic1912は、価格は安いが、ムーブメントの粗雑感があるというか。それにくらべてユンカースのこのモデルはミヨタで、バウハウス感もあり、そしてパワーリザーブがついているので候補になった。ミヨタに関しては、当時knotという日本の時計ブランドで社内初の機械式時計を作る際に取り上げられていて、このユンカースのムーブメントはそれのパワーリザーブ付き(同じ9000番代だからきっとそうだと思う)だから、品質もきっといいのだろうと。今思うとknotのマーケティングに少し乗りすぎた感もあるけど、トータルではいま思っても間違った選択肢ではないとは思う。
上記のサイトから購入。500ユーロくらい。そのときキャンペーンがふたつあって、ストラップをもう一本か、ワインディングマシーンが選べたので、ワインディングマシーンにした。ちなみにもともとは革ベルトがついていたが、手持ちのNATOベルトに交換して使用している。早速9時位置をぶつけてヒビが入ってしまい、当時相当凹んだことを覚えている。
文字盤は主張感の偏りがなく、非常にシンプルなデザイン。パワーリザーブの他に24時間計がついているが、他のクロノグラフにあるような、ごちゃつき感、機能満載感は感じない。文字と線の太さを統一して、それらの大きさの統一感も考えて配置されているからだろう。風防はプラスチックでドーム型でレトロな印象を与える。分針と秒針は先端が曲げられており、ドーム型の風防と合わせて唯一の曲面を演出している。そこ以外はケースの形状も含め全部直線的で、デザインの堅実さ、ドイツの堅苦しさ(いい意味で)を表現しているように思う。ユンカースのロゴはプロペラをモチーフにしているみたいだけど、他の時計は文字盤に大きく載せられているのに対して、このモデルでは12時位置に大きさ的にもうまく溶け込んでいて好印象。
バウハウスって認証があるのかはわからないが、「らしさ」は確実に感じる。文字も線の一部と感じさせるような統一感。サイズは40mm
ユンカースロゴも全体の中にバランスよく配置されている。秒針は8振動でブー(またはブルブルブルブル)っていう、6振動以下にはないスムーズさがある
ケース、ラグには三次元曲面がなく(展開すると全て平面になる)、デザインの厳格さを感じさせる
裏面はスケルトン。装飾はローターの直下のみコートドジュネーブ加工されていて、あとは普通。ローターの外周がザラザラしていて光の反射によっては多少キラキラする。ローターが左回りにグルングルン回りやすく、人によってはうるささを感じるかもしれない。ムーブメントにレトロ感てあるのかないのか分からないが、表面とはなんとなくギャップがある気がする。ムーブメントのほうがなんというか現代的というか工業的というか。かといって手書きのエングレービングなんていれないだろうし、いっそのことスケルトンにせずステンレスカバーにロゴか文字を刻印してもよかったと思う。でもマイナス面とまでは思わない。
裏面はスケルトン。動きが見られるのはいいが、ムーブメントにまでバウハウスっぽさは流石に出せないと思うので、ここはあえて見せなくてもいいようにも思う
ここまで書いて、全然パワーリザーブのために買った感じは出てこない笑。パワーリザーブで探していて、値段的にちょうどいいものがこれだったというだけか。まあこのカテゴリーの時計にパワーリザーブは外せないっていうものってないような気もするし、前にも書いたようにパワーリザーブの実用性は40時間前後だとあまり感じられないからなのか。バスハウスデザインは非常に特徴的で、このあとノモスに傾倒していくことになっていく自分として入り口のモデルだった。ドイツ製、ジャーマジアンについてのことはまだ知識不足で分からず、このブランド、モデルがそれに当たるのかは現時点で不明だけど、MADE IN GERMANYという表記は信じられるレベルのクオリティだと自分は思っている。